研究員紹介

Social Impact Work Labでは、多様なバックグラウンドを持つ研究員が、
それぞれの専門領域にもとづく調査・研究・発信を行っています。

メンバー紹介

「働く」と「社会」をテーマにした調査研究と研究成果をもとにした社会実装の両面に取り組む
稲見 広之Social Impact Work Lab 統括

社会の変化とともに、社会課題も日々目まぐるしく変化しています。こうした環境の中で、私たちは「働く」と「社会」をテーマに、現場起点での社会課題解決と、人財起点での社会価値創造を軸に、調査研究を進めています。複雑化する社会においては、現場で本当に困っている課題を明らかにすることが解決の第一歩です。また人財の意思を起点とした「働く」を探求することは、労働人口が減少し人財の希少性が増す社会では、ますます重要になると考えています。Social Impact Work Labでは、こうした探求と、研究成果をもとにした社会実装の両面から取り組みを進めてまいります。

略歴

早稲田大学教育学部、至善館大学院大学MBA in Design and Leadership for Societal Innovation卒業。アデコ株式会社で人財サービスのマネジメントを経験後、社会課題解決事業を通じ、就労支援、教育、デジタル化支援、地方創生等、これまで約100の事業の企画・実行に携わる。
鳥取県倉吉市認定アンバサダー。成長分野における即戦力人財輩出に向けたリカレント教育推進事業にかかる桃山学院リカレント教育事業実施委員会委員。

講師歴

  • 総務省「ICTで変わる働き方セミナー」
  • 東京都「IT活用で”当たり前”を変える」
  • 立教大学ビジネスデザイン研究科「DX人財戦略」
  • 桃山学院「DX/GX推進リーダー育成プログラム」
マクロ・ミクロ双方の視点から「働く」について調査研究し、新たな視座を切り開く
杉本 靖主席研究員

私たちは今、社会構造の変化やテクノロジーの進化などにより、時代の転換点ともいうべき大きな変化の波にさらされています。人生において働く時間は少なくない割合を占めますが、「人生100年時代」を迎え、いかに生き、そしていかに働くかについて、改めて問い直し、自分なりの解を見つけることが必要になっています。働くことは、単に生計を立てる手段にとどまらず、自己成長や自己実現、人との出会い、社会への貢献といったさまざまな意義・価値を内包しています。​
国や産業といったマクロな視点から、地域や個人といったミクロな視点まで、「働く」ことについて包括的かつ多角的・多面的に探究し、新たな視座を切り開くための調査研究に取り組んでいきたいと考えています。

略歴

日系コンサルティングファーム、日系シンクタンク、外資系コンサルティングファームを経て現職。​
これまで、官公庁(中央省庁・地方自治体等)や民間企業などに対する、産業・技術戦略、事業・マーケティング戦略、地方創生・地域活性化等の様々な調査研究・コンサルティングプロジェクトに数多く携わる。​
英国マンチェスター大学マンチェスター・ビジネス・スクール博士課程修了。PhD。​
学習院女子大学国際文化交流学部非常勤講師。

専門・関心領域

  • 先端テクノロジーの利活用等による新たな社会経済システムや企業組織のデザイン
  • 持続可能な地方創生・地域活性化
  • これらを支える人財の育成やはたらき方など

講演・執筆、その他の活動

講演等:行政(独立行政法人、自治体)、民間経営者団体、業界団体等のフォーラム・シンポジウム等に登壇。観光、未来予測、人とロボットの共生、企業による持続可能な社会の創造などについての講演実績がある。​
所属学会:日本経営学会、経営情報学会、科学技術社会論学会、INFORMS、AIS ほか​

社会課題を解決する“三方よし”を探る
古井 伸弥主席研究員

私が社会課題に初めて関心を持ったのは小学生の頃でした。夏休みの自由研究で水俣病について知りたいと思い、図書館に通ったり、資料をお持ちのご近所の方を訪ねたりしました。新たな情報が次々に見つかる面白さと、調べ切ることの難しさに触れました。
当時水俣病に興味を持った理由は覚えていませんが、「なぜ起きたのか」という背景や仕組みに対する関心は、現在の研究活動にも通じるものがあります。
日本は「社会課題先進国」と言われ、多くの課題を抱えています。しかしそれは価値創造や社会変革の可能性に溢れているということでもあります。社会課題の調査研究を通じて、企業や行政、そして働く個人一人ひとりがどのように課題に向き合い、可能性を生かすことができるのかを探っていきたいと考えます。現場の声やデータに基づいた実践的な知見を積み重ねながら、社会に還元できる研究を続けてまいります。

略歴

マーケティング戦略を専門とするコンサルティング会社でキャリアをスタート。マーケティングリサーチを専業とする会社への転職を機にCS・ES調査を多く扱う。顧客の満足が従業員の不満によって成り立つ実情に触れ、人・組織の領域に関心を持つようになる。リーダーシップ開発や組織開発を行うコーチング会社に移り、調査研究部門でリーダーシップ研究や組織調査を行う。前職ではピープルアナリティクスに実験的に取り組む部門でHRデータの利活用を推進。またシンクタンク部門で人・組織に関する調査研究を、事業部門で企業向けの組織サーベイの企画設計やコンサルティングワークに従事。

専門・関心領域

  • データやエビデンスに基づく科学的アプローチによる意思決定支援
  • 組織心理学や行動経済学等の理論に基づく組織開発、人材育成の実行支援
  • 人的資本経営、従業員エンゲージメント、ダイバーシティ等の人事課題に関する実践的知見とその応用
  • 人と組織に関わる多様なテーマに関する調査研究
生活者としての視点で、働くひとのライフキャリアとウェルビーイングを研究
持田 聖子主任研究員

少子高齢化、グローバル化、生成AIとの共存など、変化が激しく、多様性の広がる社会のなかで、人が多様なライフキャリアを主体的に選択し、その生き方に対してウェルビーイングを感じられるような社会・環境づくりの一助となりたい。その思いで調査・研究に携わっています。大切にしているのは「生活者」の視点です。「生きる」「働く」「育てる」「学ぶ」「助け合う」…日々の暮らしのなかでの、人の息づかいが感じられるような調査・研究を目指しています。

略歴

教育系企業のシンクタンクを経て2025年より現職。産業・組織心理学、発達心理学の領域で、ひとのライフキャリア(特に「働く」と「育てる」)について、国内外を対象とした調査・研究に携わっている。
筑波大学大学院 人間総合科学研究群 カウンセリング科学学位プログラム 博士後期課程修了(2025年)。
博士(カウンセリング科学)。専門社会調査士(2021年)。

専門・関心領域

  • 産業・組織心理学、キャリア心理学、生涯発達心理学
  • ワーク・ライフ・バランス、女性のライフキャリア、社会人の学び

講演・執筆、その他の活動

講演等:ライフキャリア形成に関するワークショップや講演歴あり
所属学会:産業・組織心理学会・日本発達心理学会 等
論文・書籍等:https://researchmap.jp/future2025

自分の価値観に沿って着実に力を育てる“静かな自立”を探究
松木 香凜副主任研究員

“静かな自立”と多様なライフキャリアの探究。
多様な経験を通じて、「やりたいこと」や「できること」を一つずつ積み重ね、自分の価値観に沿って着実に力を育てる“静かな自立”を探究しています。
社会や組織の変化が大きく、不確実性が増す中で、キャリアの持続可能性を高めるためには、短期的な成果や競争に偏らず、長期的にしなやかに適応するレジリエンスが不可欠です。
一人ひとりが無理なく力を発揮することができる仕組みと、ライフキャリアの多様性を尊重する環境を整えることが、個人・組織・社会の成長につながると考えています。

略歴

お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科博士前期課程修了。
大学院ではジェンダーの視点から、雇用制度や家族政策について研究。
その後、リーダーシップや経営などに関する研修・研究に携わった後、社会の仕組みを現場から支えたいという思いから、国会議員秘書として政策立案・作成の現場を経験。
現在、社会の変化を柔軟かつ的確に捉え、中長期的な視点から多様なライフキャリア形成を探求している。

専門・関心領域

  • 公共政策
  • キャリア・サステナビリティ(持続可能なキャリアの在り方)
  • 多様なライフキャリア形成