管理職の「介護と仕事の両立」に関する意識調査

介護経験のある管理職を対象に、「介護と仕事の両立」に関するアンケート調査を行い、全体の47.5％が「介護離職を考えたことがある」と回答し、仕事との両立に課題を抱えていることがわかりました。

<調査概要>
調査対象：親族を介護した経験があり、直属の部下を持つ管理職（課長職・部長職）600名　調査方法：インターネット調査実施時期：2017年10月

Q1. 介護を理由に、退職を考えたことはありますか

何度も考えたことがある19.5％ 1、2回考えたことがある28.0％考えたことは1度もない52.5％（n=600、単数回答）

介護を理由に退職を考えたことがある管理職は47.5％。介護への関与度が大きい管理職はさらに離職リスクが高い。

介護の必要性に迫られ退職する「介護離職」が課題となる中、今回の調査では、「介護を理由に、退職を考えたことがある」人が47.5％と半数近くにのぼりました。また、介護のために会社を休むなど介護への関与度が高い管理職に着目すると、退職を考えたことがある割合は57.2％とさらに上昇しました。介護の負担が増えるにつれ、離職リスクが高まることが明らかになりました。

Q2. 介護に関連して、休暇制度や勤務に関する制度を利用しづらいと思ったことはありますか

よくある24.0％時々ある39.2％あまりない28.7％全くない8.2％制度を利用しづらいと思う理由は何ですか（いくつでも）自分の業務に支障が出るため73.1％部下の業務に支障が出るため54.1％管理職に介護を理由に休みを取る人がいないため37.7％

制度を利用しづらいという管理職は63.2％。自身や部下の業務への支障を懸念。

介護に関連して利用できる制度について「利用しづらい」と回答した管理職は63.2％と半数以上を占め、その背景には、「自身の業務に支障が出る」（73.1％）、「部下の業務に支障が出る」（54.1％）といった業務への影響を懸念していることがわかりました。さらに、「管理職で、介護を理由に休みを取る人がいない」（37.7％）、「休みを取りにくい雰囲気がある」（32.7％）といった、職場環境や風土によって制度利用にハードルを感じる人も少なくありません。

Q.介護に関連して、休暇制度や勤務に関する制度を利用しづらいと思ったことはありますか

よくある24.0％時々ある39.2％あまりない28.7％まったくない8.2％（n=600、単数回答）

Q.制度を利用しづらいと思う理由は何ですか

高い順に自身の業務に支障が出るため73.1％部下の業務に支障が出るため54.1％管理職で、介護を理由に休みを取る人がいないため37.7％休みを取りにくい雰囲気があるため32.7％会社全体で、介護を理由に休みを取る人がいないため23.7％人事評価に影響が出るため9.8％給与が減るため5.5％（n=379、複数回答）

Q3. あなたは、介護に携わりながら働く部下を支援したいですか

とても支援したい47.5％どちらかと言えば支援したい44.4％わからない7.7％どちらかと言えば支援したくない0.4％

実際に、「ケアボス」として、介護に携わる部下を支援できている／できていたと思いますか

とても支援できている16.5％どちらかと言えば支援できている57.0％どちらかと言えば支援できていない24.6％まったく支援できていない1.8％

介護を担う部下を持つ管理職のうち、91.9％は、部下を支援したいと思っている「ケアボス」志向。
一方で、「ケアボス」として実際にサポートできたと考える管理職は73.5％で、理想と現実に18.4ポイントの開きがある。

部下が介護と仕事を両立できるよう配慮する上司、いわゆる「ケアボス」に関連して、介護に携わる部下に対する意識についてもたずねました。介護を担う部下を持つ管理職は47.3％で、そのうち91.9％が「介護に携わりながら働く部下を支援したい」と、「ケアボス」の志向がある人がほとんどを占めました。一方で、実際に「『ケアボス』として支援できている」と考える管理職は73.5％となり、支援したいという理想と現実では、18.4ポイントの開きがみられました。