経営資源有効活用・効率化促進・専門ノウハウの活用ーコニカミノルタプラネタリウム“天空”in 東京スカイツリータウン(R)コニカミノルタプラネタリウム株式会社 代表取締社長 上田裕昭氏

人事戦略としてのアウトソーシングを考える

【取材協力】早乙女 真(NTTデータ経営研究所 情報戦略コンサルティング本部/アソシエイトパートナー)

アウトソーシング 最新事例 interview

テーマ 経営資源有効活用・効率化促進・専門ノウハウの活用

コニカミノルタプラネタリウム“天空”in 東京スカイツリータウン(R)
コニカミノルタプラネタリウム株式会社 代表取締社長 上田裕昭氏

「施設運営」という自社の主事業とは異なる分野でアウトソーシングを活用し、自社のコア事業に注力する体制を構築している、「コニカミノルタプラネタリウム“天空”」。 施設をアウトソース化した目的やそのメリットを、上田裕昭社長に伺いました。

プラネタリウムの魅力をメーカー自ら伝えていく

1957年に日本初の国産プラネタリウムを完成させて以来、当社は、プラネタリウム機器の製造・販売、また、科学館やこども館などへの機器の提供を行ってきました。2004年から東京・池袋のサンシャインシティのプラネタリウム“満天”の運営に乗り出したのは、プラネタリウムの魅力を誰よりも知っている我々メーカー自らがそれを伝えていかなければならないと考えたためです。そういった思いで、世界初の「メーカー直営のプラネタリウム施設」にチャレンジしました。

東京スカイツリータウンRの“天空”は、弊社が直接運営する2館目のプラネタリウム施設です。“満天”同様、大人にも楽しんでいただける"エンターテインメント施設"として、5月22日にオープンしました。

より専門的な業務に社員が注力できる体制を構築

施設運営の経験が“満天”で多少あったとはいえ、券売からお客様のご案内などのオペレーション業務のすべてを社員だけで担うのは不可能です。今回オープンした“天空”は、スカイツリーという大きな集客が見込める環境下にあり、期待値も大きい。だからこそ、徹底した教育を受けたスタッフによる、お客様に満足される施設運営、また、「コニカミノルタ」というブランドを形作る場所としての役割を果たすために、「運営全体をアウトソーシングする」という選択に至りました。現在、現場でのオペレーションのほか、機械操作、事務業務などの業務全般をアデコに委託しています。

アウトソーシングを活用する大きなメリットは、弊社社員がコア業務に注力できることです。“天空”では、施設管理の統括と主サービスである機器のメンテナンス業務のみを弊社が担当しており、体制の切り分けができあがっています。

運営のパートナーとともにブランド価値向上を目指したい

“天空”には、3つのビジネス上の役割があります。1つ目は収益を上げること、2つ目が最新のプラネタリウム機器の認知拡大とPRによって、他施設での機器の採用につなげること。3つ目は、コニカミノルタグループ全体のブランドイメージの向上です。今回の事業者の選定時は、とりわけ「接客などサービス、施設運営における考え方や蓄積したノウハウが、コニカミノルタのブランド価値を向上させてくれる事業者」という視点を重視しました。

アデコは、ブランディングを目的の一つとした施設運営の実績があり、施設運営体制の提案も非常に納得のいくものでした。また、「人」に関するノウハウも重要なポイントなのですが、アデコは運営スキルに長けた管理者のもと、現場スタッフの接客力やコミュニケーション力を高める教育体制を構築している点も、トータルな運営を任せることができると思った理由です。

“天空”の物語は、始まったばかりです。日々の業務の中で、アデコやアデコのスタッフの方々とともに業務の細かな点を継続的に改善しながら、プラネタリウムの魅力を一人でも多くのお客様にお伝えしていきたい。そう考えています。

上田裕昭社長物理学の研究者で、工学の博士号も有する上田裕昭社長。「今後はお客様にいかにリピーターになっていただくかが課題です」と話す。
ニーズに合致した提案をもとに新たな領域の採用活動に挑戦

VOL.27特集:アウトソーシングの現在と未来

人事戦略としてのアウトソーシングを考える

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