18年間にわたる公務員経験を活かし、持続可能な地方創生のためのソーシャルキャピタルを創り出す

2023.10.31

18年間にわたる公務員経験を活かし、持続可能な地方創生のためのソーシャルキャピタルを創り出す 

 

地域の過疎化が進むなか、将来的には存続が危ぶまれる地域も出てきています。地方自治体の公務員として地域の課題を肌で感じていた吉田 智之は、スピード感をもって課題解決を図るためにアデコ株式会社へと転職。ソーシャルイノベーション課の課長として、地域創生に奔走しています。その熱い思いを吉田が語ります。

地方創生の切り口から事業を行う新組織を立ち上げ、自治体との共創事業がスタート

吉田は現在、アデコ株式会社の人財派遣およびアウトソーシング事業のブランドであるAdeccoにて、キーアカウント事業本部 ソリューションセールス事業部 ソーシャルイノベーション課の課長として、社会変革を目的とした事業に携わっています。これは2022年11月にアデコ株式会社へ入社した際に、地方の持続可能なあり方を、民間資本を活用したサービスとして地域課題の解決を推進したいという吉田自らの考え方が組織に浸透し実現したものです。

吉田

「現在は、東京都事業や地方自治体との共創事業を平行して推進しており、業務の一環として、地方の人口減少に起因する課題解決に取り組んでいます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が進むことで起きる働き方などのパラダイムシフトを通じてさまざまな課題を解決に導くことが、将来における持続可能な地方創生につながるのではと考えています」


入社から組織の立ち上げまでの約1年半、吉田はソリューションセールス事業部で、公共事業の受託を主要業務として、DX化や女性活躍推進等の課題に取り組んできました。地方の人口減少に対処するにあたっては、外国人財の受け入れなども含め、さまざまな課題があります。そこで、地方創生に対してアデコらしい貢献ができないかと上長と共に考え、地域の課題解決のパートナーになって伴走していく、ソーシャルイノベーション課が生まれたのです。

吉田

「ソーシャルイノベーション課は、アデコの中から地方創生に意欲的な社員が参画しているほか、公務員経験を持つ社員など、現在は私を含めて総勢15名で構成されています」


業務の半分は、東京都からの受託案件であり、そこでの経験や知見を地方での活動に活かしていきたいと考えています。共創事業としては、地方自治体の職員さんとの信頼関係の構築に成功し、DXの推進やデジタル人財の育成に関して、滋賀県長浜市、愛知県長久手市、高知県と協定を結ぶに至っています。
それぞれの自治体が抱える課題は、地域によってさまざまだと吉田は言います。

吉田

「たとえば女性活躍支援事業に携わっている地域では、リモートワークでできる仕事を通じた女性の働き方の拡大や生きがいの創出を図っています。
また、業務の繁忙により、職員がなかなか現場に赴けない地域では、業務状況を改善するためにDX化を推進したり、職員が地域に出向けるマインドセットを含めた働き方改革に取り組んだりしています」

 

地域創生のプレイヤーが地域にいないと感じ、公務員との兼業で社団法人を立ち上げる

吉田が地域創生に興味を抱き始めたのは20代前半のころでした。日本の人口減少の現状について本で読み、将来的には今まで通りの社会を維持するのは難しいことを知りました。大きなパラダイムシフトが起こりそうと考え、人の生活が変わり、仕事が変わるときに「まちづくりのプロ」という立場で、人の役に立ちたいと思い、これらの課題に対して草の根で取り組む決意を固めたのです。

吉田

「課題感は若いころから持っていて、公務員として市役所で働きながら、地元の消防団やスポーツ少年団の指導、神社の氏子青年会会長といった地域活動にも参加してきました。
しだいに、県の研修センターでの行政職員が政策を作るにあたっての研修講師なども務めるようになり、1年間、別の市の政策形成の指導に通ったこともありましたね」


同僚とも多様な政策を考え、実行に移す努力を重ねましたが、机上では良いアイデアに思えても実際に実行に移すには、プレイヤーが必要だという現実に直面しました。