VOL.34 特集:独特の制度、柔軟な組織 北欧に学ぶ「働き方」

Report ストックホルムに暮らす共働きファミリーの1日に密着!

妻のマリアさんは1年間の育児休暇を終え、まもなく職場復帰の予定。そして、交代で育児休暇に入る夫のマッツさん。 ストックホルムのごく一般的な30代夫婦の生活を覗いてみました。

Family Data マッツ・サイッツさん 37歳 IT関係コーディネーター
マリア・ローフグレーンさん 31歳 アパレルメーカー勤務
カッレ君 5歳 長男
トーヴェちゃん 1歳 長女

専業主婦が全女性人口のうちの数パーセントと言われるスウェーデン。2人の子供を持つマリアさんも、出産後働き続けることは当然の選択だったという。「スウェーデンでは、納税額や生活費が高いから、共働きでないと生活が成り立たないの。知り合いに専業主婦は1人もいないわ」と話す。

長女の育児休暇をまもなく終えるマリアさん。交代で夫のマッツさんが育児休暇に入るという。スウェーデンで男性が育児休暇を取得するのは当たり前。子供が18カ月(1歳半)になるまでに、父親は60日の休暇取得を義務付けられているからだ。

「休暇後、同じポジションが保障されているわけじゃない。会社側が代わりの一時的な人財を見つけることができればいいけど、正式に人を雇わざるを得ない場合もあるから。復帰後の条件が悪い場合は、他の仕事を探すという人もいるよ(マッツさん)」

「良くも悪くも男女平等」と話すマリアさん。「レディーファースト、特別扱いという概念もないし、女性が重い荷物を持つのだって当たり前。でも、みんなこの国がとっても好きなのよ」

am 6:30 God morgon! おはよう!今日も1日が始まる 家族そろっての朝食。シリアルとトースト、生野菜で簡単に済ませる。マッツさんとマリアさんは、結婚をしていない事実婚カップル。こうしたカップルが子供を持ち暮らすのは、スウェーデンでは、ごく普通のこと。 am 8:30 保育園へはフェリーに乗って 住まいの近くの保育園がいっぱいで、対岸の町まで通園している5歳のカッレ君。水の都ストックホルムだけに、無料運航のフェリーを使う。お気に入りのキックボードに乗って、マンションの一角の保育園に到着!am 11:30 長女の昼寝中はテラスで仕事 アパレルメーカーでイラストレーターとして働くマリアさん。1歳のトーヴェちゃんのお昼寝タイムには、テラスでメールチェック。冬の日照時間が短いスウェーデンでは、夏の間はできるだけ外に出て、日光浴を行う。 pm 4:00 保育園へカッレ君をお迎えに 16時ごろ、保育園までカッレ君をお迎えに行く。夫のマッツさんが育児休暇に入ると、この役割も交代する予定。スーパーで夕食の材料を購入し、帰宅する。pm 5:00 パパ帰宅! 帰宅したパパと一緒に夕食 マリアさんが夕食の準備をする横で、ひとりで食べられるようになった1歳のトーヴェちゃん。今日の夕食はカッレ君の大好物のパンケーキ!スウェーデンでは、共働きのため、夕食は簡単に済ませることが多い。pm 7:00 夕食後はパパと遊ぶ時間 ITコンサルタントとして働くマッツさん。毎日の帰宅は17時ごろ。帰宅後か夕食後に子供たちと遊ぶのが日課。 pm 9:00 God natt! ひとときの2人の時間を楽しむ 子供たちを寝かす時間。20時30分くらいまでに子供たちは就寝する。その後、ネットサーフィンをしたり、紅茶を飲んだり、22時までゆっくりと過ごす。