VOL.24 特集:2012年、雇用にまつわるトピックス

2012年、雇用・労働環境の変化とトレンドを見る

東日本大震災の影響や「2012年問題」による大幅な労働力減少、終身雇用や年功序列型賃金制度の崩壊、加速するビジネスのグローバル化……。
環境が激変する今、労働市場で何が起きているのか、今後どのような新しい動きが出てくるのか。「今、そしてこれから」をレポートします。

Topic5 【高齢者雇用】希望者全員が65歳まで働ける社会へ

年金支給開始年齢が60歳から65歳へと段階的に引き上げられるのに伴い、政府は2006年、「高齢者雇用安定法」を策定し、(1)定年年齢の引き上げ(2)継続雇用制度の導入(3)定年制の廃止のいずれかを採用することを、企業に義務付けました。この結果、厚生労働省の11年6月時点の調査では、95.7%の企業が高齢者の雇用確保に取り組んでいるという結果が出ています。

しかし実際には、定年年齢の引き上げ・廃止を実施している企業は17.4%。8割以上は企業が雇用したい人材を選別できる「継続雇用制度」を選択しており、さらにこのうち、「希望者全員の再雇用」を実施しているのは中小企業で46.2%、大企業では21.6%と低水準に留まっています。

11年12月、厚生労働省・労働政策審議会の部会は、企業に、65歳までの従業員の再雇用義務付けを厳格化する方針を示しました。支給開始年齢の段階的な引き上げが始動する13年度から実施する方針です。しかし、「制度があるためにその人員の仕事を捻出するという矛盾が発生する」「早期退職などで人員削減をせざるを得ない企業も出てくる」といった企業側の不満の声も多く、既存の日本の組織構造と高齢者雇用を相対的に検証することが求められています。今後、団塊世代が抜けた穴をどう埋め組織のノウハウを継承していくか。企業は、総合的な働き方改革に踏み出すことが求められています。

表6