VOL.24 特集:2012年、雇用にまつわるトピックス

2012年、雇用・労働環境の変化とトレンドを見る

東日本大震災の影響や「2012年問題」による大幅な労働力減少、終身雇用や年功序列型賃金制度の崩壊、加速するビジネスのグローバル化……。
環境が激変する今、労働市場で何が起きているのか、今後どのような新しい動きが出てくるのか。「今、そしてこれから」をレポートします。

Topic8 【働き方】“働き方”は多様かつ柔軟に

年齢や性別に関係なく、誰もが活躍できる組織を目指し、さまざまな雇用システムを導入する企業の動きは、近年さらに活発になっています。

大手IT系企業A社は、都内のオフィス統合に伴い、「在宅勤務の選択制度」を導入。新本社は、8割の社員が「フリーアドレス制」を導入し、フレキシブルな働き方を実現しています。在宅勤務に取り組む企業は約20%(NTTデータ経営研究所調査)という数値もあり、この流れは今後も進むと考えられます。他にも、次年度までに、全国の9工場にワークシェアリングを導入する大手化学メーカーD社は、従業員の労働時間を調整・短縮することで雇用の拡大を図るという「生産性」の視点で、人材の在り方を捉えています。

最近では、過疎化が進む地方に拠点を設けることで、「企業の効率性」と「町の活性化」という異なる2つのニーズを満たす動きもIT系企業を中心に広がりを見せつつあり、"時間・場所を限定しない働き方"は、ますます広がっています。